参考資料 ①

一冊の本を紹介します。合唱にとっては欠かせない歌唱および発声法を考える上で何か参考となる本はないか? ということで探していたときに、ある本屋さんで偶然見つけて購入した本なのですが、
「 声楽のコツ―自由な発声法への鍵 」エスター サラマン (著), 西原 匡紀 (翻訳)(1993/4/1)という本です。
著者はイギリスの人ですが、イタリアで歴史的に確立されてきた「ベル・カント」唱法について その姿を明らかにしつつ、声楽を目指す者に対して練習法のヒントを与える著作として、初心者にとってはとても参考になると思いました。「ベルカント」唱法に対する私の誤ったイメージを払拭し、発声と発声法への私の関心と興味を深めさせてくれた一冊です。
もしも皆様も、手にとる機会がありましたら 是非一読してみてください。
追記: 「ベルカント唱法」というと様々な指導者によって様々な著作が出されていますが、大阪ハインリッヒ・シュッツ合唱団(現・大阪コレギウム・ムジクム合唱団)の常任指揮者 当間修一氏が、そのホームページにて公開している「合唱講座」というサイトで「参考資料」として取り上げられている 「ベル・カント唱法―その原理と実践」コーネリウス・L. リード (著), 渡部 東吾 (翻訳)(1986/12/1) という本も、まだ私は途中までしか読んではいませんが、とても良い著作だと思います。

ちなみに 当間修一氏のホームページ・「合唱講座」 のURLは以下の通り。https://www.collegium.or.jp/~sagitta/ocm_homepage/html/kouza.html   この「合唱講座」に記されている内容は、「合唱」をするものにとって とても素晴らしく 貴重なものです。とても参考になります。

アマチュア合唱団における、発声法等を初めとする音楽的・技術的問題について ①

私は、私たちのようなアマチュア合唱団内部における、団員どうしの音楽的・技術的な問題に関する様々な議論は、原則として自由であるべきだと考えます。しかし市民社会における一般的な問題ではなく、音楽的・技術的な 芸術性にかかわる問題の場合、アマチュアの団体では気をつけなければならない点があります。
私たちアマチュアの団体は一人一人がお互いにそれぞれ違った経歴や体験を持ち、ものの見方や価値観もそれぞれ違うものを持った人間どうしの集まりですから、さまざまな問題や課題について議論する場合も、お互いにその存在や、生き方・考え方を認め合いながら、極めて慎重にゆっくり考えながら議論をしていく必要があります。
団員どうしによる音楽的・技術的な問題に関する「注意」や「指摘」は、受け取る側にとっては「強要」と感じられてしまう場合があり、市民が自らの意志によって参加するアマチュア芸術団体にとっては不可欠ともいうべき  “団内民主主義” を破壊するものと感じさせてしまう場合があります。
なかには『 プロ以外はアマチュアに技術指摘したり強要したりしてはいけない 』と、アマチュア間の指摘や注意を、かなり厳しく取り締まっている団体もあるという話も聞きました。
ではアマチュアの合唱団において、発声法等を初めとする、技術的・音楽的、緒問題は、いかに解決するべきなのか?
一番手っ取り早い方法は、プロの指導者の指導を仰げば良いということになるのかもしれません。
しかし少なくともまずもって各自が自分自身の努力によって、その技術や音楽性を磨くことこそが、最初の出発点であることは確かです。
それはもちろん自分自身の責任によるものですから、厳しいことのように思われるかもしれません。実際その道は長い道のりとなるものなのでしょう。しかしその努力が実っていくことのなかにこそ、充実した喜びと、自信が生まれてくるのではないでしょうか?